米国の各州で提案されている戦略的ビットコイン（BTC）準備法案が可決された場合、最大230億ドルのBTC需要が生まれる可能性があると、資産運用会社ヴァンエック（VanEck）が 分析した。

ヴァンエックのリサーチ責任者マシュー・シーゲル（Matthew Sigel）氏は、2月12日にX（旧Twitter）で投稿し、20の州レベルのビットコイン準備法案を分析した結果、可決された場合、各州政府は合計約24万7,000BTCを購入する必要があることが分かったと述べた。

なお、この分析には州の年金基金によるBTC購入の可能性は含まれていない。シーゲル氏によれば、州の退職年金基金がBTCを組み入れれば、さらなる需要拡大が見込まれる。

「この230億ドルという数字は控えめな見積もりかもしれない。なぜなら、多くの州では詳細が明らかになっておらず、（資金規模が）不明のままだからだ」と、シーゲル氏は指摘した。

米国各州の戦略的ビットコイン準備法案で最大230億ドルの需要を創出＝ヴァンエック image 0

State Bitcoin reserve bills. Source: VanEck

 

高まる需要

仮想通貨スタートアップ「Gems Launchpad」のCEOであるアイザック・ジョシュア（Isaac Joshua）氏は2月9日、Cointelegraphに対し、「ビットコインは機関投資家や政府の導入が進むことで、主流の準備資産へと向かっている」と語った。

州政府に加え、ドナルド・トランプ米大統領も、国家戦略としてのビットコイン準備の可能性を検討するよう職員に指示した。

一方BitcoinTreasuries.NETのデータによると、150社以上の企業がビットコインを準備資産として蓄積しており、インフレヘッジとしての有用性が注目されている。

2月にはトランプ大統領が主権財産基金（ソブリン・ウェルス・ファンド）の創設を指示したが、業界アナリストの間では、この基金が米国政府によるBTC購入の手段になる可能性があると見られている。

また、1月16日にニューヨーク・ポストが報じたところによると、トランプ大統領は、ビットコイン準備を拡大し、USDコイン（USDC）、ソラナ（SOL）、XRP（XRP）といった他の仮想通貨を含める可能性について前向きな姿勢を示している。

予測市場「Kalshi」は、2024年内にトランプ大統領が国家ビットコイン準備を創設する確率を52％と評価している。

仮想通貨リサーチ企業CoinSharesは、1月10日のブログ投稿で、「米国におけるビットコイン法の制定は、2024年のETFローンチよりもビットコインの長期的な普及に大きな影響を与えるだろう」と述べた。