ビットコイン(BTC)は、米国の1月の雇用統計が予想を下回ったにもかかわらず、2025年第1四半期に史上最高値を更新する可能性がある。グレースケールのリサーチ責任者であるザック・パンドル氏がコインテレグラフに語った。

2月7日、米当局は1月の雇用者数が14万3000人増加したと発表したが、これは予想をやや下回る結果となった。

「ビットコインは、今回の雇用統計を冷静に受け止めるだろう」と、パンドル氏は2月7日にコメントした。同氏によれば、この結果は「FRBがしばらく金融政策を据え置く」との期待を強める可能性はあるものの、大幅な価格調整につながる可能性は低い。

一方で、ビットコインを含むデジタル資産は政策関連の追い風の恩恵を受けているとし、その一例としてステーブルコイン関連の立法進展を挙げた。

その結果、パンドル氏は「仮想通貨市場は強気バイアスを維持する」と予想している。「株式市場が概ね安定していれば、ビットコインは今四半期中に新高値を記録する可能性がある」と述べた。

ビットコイン、2025年第1四半期に最高値更新の可能性=グレイスケールのリサーチ責任者 image 0

The US jobs report came in lower than expected. Source: New York Times

 

米国の雇用統計が予想下回る

2月7日のウォール街での取引開始時、米国の雇用統計の結果がリスク資産に追い風となり、ビットコインは10万ドルに急騰した。

米国の1月の雇用増加数は市場予想の16万9000人を下回り、予測市場のトレーダーが見積もっていた数値を大幅に下回った。これを受けて、仮想通貨市場と株式市場はともに上昇した。

CMEグループのFedWatchツール による最新の推計では、FRBが3月の次回会合で利下げを実施する可能性は低いと市場は見ている。2月7日時点で、0.25%の利下げが実施される確率は8.5%にとどまり、雇用統計発表前の14.5%から低下した。

ステーブルコイン法案の進展

2月7日、米国の2人の下院議員が、ドル連動型の決済ステーブルコインに関する規制枠組みを確立するための法案の 討議草案を発表した 。

この法案では「内部担保型ステーブルコイン」の発行を2年間禁止する条項が含まれており、発行体が自己発行したデジタル資産を担保にしたステーブルコインを作成することが禁止される。

さらに、米財務省に対し、ステーブルコインに関する調査を促進するよう義務付ける内容となっている。