2025年の仮想通貨市場　規制明確化で「機関投資家と個人投資家の採用が増加」＝チェイナリシスCEO

2025年には、規制の明確化と仮想通貨の評価額の急上昇を背景に、仮想通貨業界がさらに主流化し、機関投資家からの認識が高まると予測されている。

2024年にはビットコイン（BTC）の価格が12月17日に過去最高の10万8300ドルに達し、仮想通貨投資家の楽観的な見方が強まった。これはドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利してから約1か月後にあたる。

トランプ次期政権によるさらなる規制の明確化が期待される中、仮想通貨業界は新たな節目を迎えるとみられている。専門家たちは、機関投資家のさらなる採用と世界的な仮想通貨投資家の増加が予想されるとコインテレグラフに語った。

規制明確化と仮想通貨投資家の増加

2024年、仮想通貨業界は主要な地域で大きな規制の進展を見せた。欧州では、世界初の包括的な仮想通貨規制フレームワークである暗号資産市場規制（MiCA）が12月30日に 完全施行され 、仮想通貨サービス提供者向けの包括的なガイドラインを提供した。

アジアでは、シンガポールが リスク調整アプローチ によって仮想通貨ハブとして浮上し、2024年にはデジタル資産ライセンスの発行数を倍増させた。シンガポールには1600件のブロックチェーン特許、2433件の関連雇用、81社の仮想通貨取引所が存在する。これらは人口600万人未満の国としては驚異的な数字だ。

チェイナリシスのジョナサン・レヴィンCEOはこれらの世界的な規制の進展は、個人投資家と機関投資家の間でさらなる採用を促すとコインテレグラフに語る。

「これらの規制が業界により大きな明確性をもたらすにつれて、2025年には機関投資家と個人投資家の採用が増加することが期待できる」。

新しい規制は業界の信頼性、市場の健全性、消費者保護を強化し、「個人顧客にとって業界をより魅力的にする」とレヴィン氏は指摘する。

レヴィン氏は、規制の明確化が仮想通貨ユーザー数を過去最高に押し上げ、上場投資信託（ETF）などの機関投資家向けサービスの成長につながると述べた。

トリプルAの 2024年仮想通貨保有レポート によると、2024年7月12日時点で、世界には5億6000万人の仮想通貨保有者がおり、これは世界人口の6.8%を占めている。

世界各国の仮想通貨保有者. Source: triple-a

ビットコインETFと機関投資家

米国の現物ビットコイン上場投資信託（ETF）は、BTC投資を従来の金融機関にとってよりアクセスしやすくした。ETF効果により、すでに機関投資家採用を増加させている。ビットコインETFはデビューから1年未満で1100億ドルを圧絵m、2025年に20万ドルのビットコインサイクルトップを予測するアナリストの予測を後押しした。

チェイナリシスのレヴィンCEOによれば、こういった動きは、ビットコインが資産クラスとして機関投資家による受け入れられる端緒になるという。

「これは、金融機関と仮想通貨企業がこの投資家需要をサポートするために必要なインフラと回復力を構築する努力に繋がる可能性が高い」

新興国における仮想通貨需要

2024年10月に発表されたチェイナリシスの仮想通貨レポートによれば、2024年の仮想通貨活動は、2021年の強気相場の時の水準を上回ったという。

チェイナリシスグローバルインデックスは、2024年第1四半期に世界の仮想通貨活動の総価値を測定し、新たな高値である0.75を超えたとしている。

Global index measuring the global value of crypto activity. Source: Chainalysis

2023年には主に中低所得国によって仮想通貨採用が推進されたが、2024年の高値はすべての所得レベルの国々での仮想通貨活動の増加に起因していると報告書は付け加えた。

このグローバルな活動の増加は、ステーブルコインの実世界でのユースケース増加と、米国でのビットコインETFのデビューに主に起因していると、レヴィンはコインテレグラフに語った。

「これには、米国でのビットコインETFの開始から、ステーブルコインの中低所得国での実世界のユースケース、サブサハラアフリカ、ラテンアメリカ、東ヨーロッパでのDeFi活動の大幅な増加まで、多くの要因があった」

2024年グローバル暗号通貨採用指数 Source: Chainalysis

インド、ナイジェリア、インドネシアなどの低・中所得国が採用をリードし、インドはチェイナリシスのグローバル仮想通貨採用インデックスで1位にランクインした。

ラテンアメリカでは、エルサルバドルが2021年9月7日にビットコインを法定通貨として採用し、最初の3年間で3100万ドルの利益を生んだ。エルサルバドルのビットコイン採用は、ビットコインがグローバル金融システムに統合されるための重要なステップであったと、ブロックチェーン専門家であるアンディ・リアン氏は述べた。

「他の国々がこの道を考慮するにつれて、私たちは安全な準備資産の定義が徐々に再定義されるのを見るかもしれない。ビットコインが国の準備金の定番になると、グローバル金融の姿を根本的に変え、経済的安定性に向けたより分散化されたデジタルアプローチを推進する可能性がある」

BTC and gold, 1-year chart. Source: Cointelegraph/TradingView

ビットコインは金に次ぐ、アタラな準備資産として浮上する可能性がある。

過去1年間で、ビットコインは131%以上上昇し、金価格は約30%上昇と なっている 。

仮想通貨投資家の楽観主義は2025年に向けて高まっている。1月20日のドナルド・トランプ氏の就任式と、その後の規制明確化は仮想通貨価格の潜在的な触媒と見なされている。 ヴァンエック では価格予測を18万ドルとしており、ビットコインの2025年のラリーは仮想通貨業界への投資家の注目をさらに集めることになるだろう。

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